柱状改良杭撤去の必要性
地盤補強工事ではセメント系杭がよく使われているのをご存知でしょうか?
セメント系杭は比較的安価なうえ、強度がある程度維持できるとされています。ただし、これらのセメント系固化材は撤去するときに注意が必要です。
2003年1月の不動産鑑定評価基準改正によって、地中埋設物や土壌汚染物質も土地履歴として評価されるようになりました。そのため、地盤補強工事の際に使われたセメント系杭は地中埋設物扱いとなります。
地中埋設物があると土地そのものの地価のマイナス要因と判断され、大幅な地価下落につながる可能性が出てきます。また、建替えといった場合にも地中埋設物の撤去費用がかかり、気を付けなければなりません。
将来的に、必要のなくなった地中にある杭を地中埋設物として撤去する必要が必ず出てきます。土地を売却した場合には、その土地に埋設されていた撤去費用について買主から請求される事もあります。
※写真は実際地中から撤去した地中埋設物(杭)になります。
福田テクノ独自の特殊技術『カットバケット工法』
現在は、油圧ショベルですくう柱状改良杭撤去工事が一般的ですが、油圧ショベルですと、浅い部分の埋設杭はすくうことができますが、5m下、6m下までの埋設杭をすくう事はなかなか現実的ではありません。大型重機ではもっと深いところの杭を撤去することは可能ですが、住宅密集地においては大型重機での作業は難しい現状です。
福田テクノは、柱状改良杭撤去工事をより現実的に実用性を高めた技術を考え、独自の特殊技術の開発に勢力をあげてきました。
住宅密集地に最適な工法
長年培ってきた地中障害物撤去の経験から一般住宅向けに改良した福田テクノ独自の『カットバケット工法』は、杭にかぶせて1mほどでカットし閉塞して持ち上げる工法ですので、上記のデメリットをすべて解消することができます。
この工法は大型重機を使わず、地中8mの柱状改良杭の撤去を可能としました。住宅密集地においても柱状改良杭を地中に残すことなく全撤去することができます。また、掘り起こさないため、隣近所への配慮もできます。
- 地中に残すことなく全撤去する事ができます。
- 大型重機が必要ない為、住宅密集地でも施工が可能です。
- 柱状改良体のみを撤去するので隣地への影響はありません。
柱状改良杭全撤去施工手順
下記の図は施工順序図(既存柱状改良打杭全撤去 特殊バケット(カットバケット)使用)です。
- 1
- 杭芯セット
改良杭のセンターにあわせます。
- 2
- 回転圧入
杭径+30mmを使用し、表層部分を堀削し杭頭を確認します。
- 3
- カットバケットで切削
同径のカットバケットで改良杭を約0.3m切削・破砕します。鉄筋、コンクリートはバケット内部に取り付けた超硬ビットの摩擦熱でバケット内部で凝固し場外に排出します。
- 4
- 残存部を全撤去
3を繰り返し、カットバケットにて残存部を全撤去します(切削・破砕)。
- 5
- 底ザライにて完全撤去
残存杭撤去完了後の底ザライにて完全撤去をします。
- 6
- 埋め戻し
良質土にて埋め戻しを行います。
- 7
- 繰り返し施工
以降撤去完了まで、2~6までの施工を繰り返し行い、所定深度まで、切削、排土~埋戻しを行います。
表1
既存杭径 | 特殊バケット径 | |
---|---|---|
φ600 | ⇔ | φ638 |
φ500 | ⇔ | φ528 |