地盤事故を減らす地盤調査
スクリューウェイト貫入試験は、北欧のスウェーデン国有鉄道が1917年頃に不良路盤の実態調査として採用し、その後スカンジナビア諸国で広く普及した調査を、1954年頃建設省が堤防の地盤調査として導入したのが始まりです。
1976年にはJIS規格に制定され、現在ではJISA1221(2002)として戸建住宅向けの地盤調査のほとんどが本試験によって実施されるに至っています。
スクリューウェイト貫入試験は地盤にロッド(鉄の棒)を垂直に突き刺し、その沈み方から地盤の硬軟や締まり具合を調査します。
スクリューウェイト貫入試験の手順
- 1
- 試験準備
鉄のロッド先端に円錐形をねじったようなスクリューポイントを取り付け、それを地面に垂直に突き立てます。ロッドには、クランプを通し、さらに上端には水平にハンドルを取り付けておきます。
- 2
- 段階載荷貫入試験
クランプに円筒形のおもりを25,50,75,100kgと段階的に荷重を掛けていき、貫入具合を測定します。
- 3
- 一定荷重回転貫入試験
静止状態による沈み込み(自沈)がなければロッドを回転させ、25cm貫入するのに半回転(180度)で何回転したかを測定します。回転数が多ければ固い地盤、回転数が少なければ軟弱地盤といえます。
- 4
- 試験終了
規定の深度までの貫入が記録できた時点で測定を終了し、ロッドを引抜きます。
- スクリューウェイト貫入試験は、非常に硬い地盤や、その他の原因で貫入不能とならないかぎり、深さ10mまで測ることができます。
- ロッドがスムーズに沈んだ場合は地盤が弱いと判断し、逆に沈みにくかった場合は地盤が固いと判断します。
- 地盤調査機にオートマチック試験機を採用しており、コンピュータ制御でデータを自動で記録するため、信頼性の高い地盤調査を実現しています。
- 原則として1宅地で4箇所以上の測定を行います。調査期間は半日程度です。
メリットとデメリット
- 試験が比較的容易に行える
- 試験の結果を換算N値で確認できる
- 深度毎に連続してデータがとれる
- 回転数、荷重とも自動記録のため、正確なデータが得られる
- 自動で荷重が調整されるため、自沈時も正確なデータが得られる
- コンクリートや石など、硬い障害物にぶつかった場合、試験ができない
- 地盤の強度を測定することはできるが、土質の判定が困難
- 土が採取できないため、詳しい地層の確認はできない